初めての夜

介護生活1日目の夜・・・。

寝る時は、チビタをケージの中へ入れることにした。
私が寝る間、チビタがもし動いたりしてどこかに引っかかったりしないようにするためだ。

ところが・・・。

動くというより、30分、長くても1時間置きに私を呼ぶのだ。

寝れない・・・。

呼ぶ理由。
トイレに行きたい」「お腹が減った」「甘えたい」のうちのいずれかだ。

毎回応えてあげた。
さすがに睡眠不足になる。
でも暴れる前に私を呼ぶチビタに感謝した。
呼んでくれることで、私が起きて看ることができるからだ。

ケージ内のチビタ
a0099131_18125897.jpg
ケージは市販のものではなく、100均やホームセンターで網のようなものを買い、部分部分をつなげて大きめのケージを作った。
天井はないので、私が入れるようまたげるのだ。
一畳くらいの大きさだ。


ケージ内にトイレを置いたので、トイレに行きたければトイレにチビタを置き支えてあげる。
お腹が減っていたら、私が座って食べさせてあげる。
甘えたい時は、一緒にケージの中で寝てあげる。

翌日、寝不足はもちろんのこと、ほとんどケージで夜を過ごしたので腰や背中がすごく痛いのだ。

でも私は苦痛に感じていないし、あえてチビタがこうしてそばにいて私を頼ってくれていることをとても幸せに感じている。
大変ではあるが、自分の選んだ選択を今まで1度も後悔したことはない。

あの時、もし「安楽死」という選択を選んでいたら・・・。
自分の精神状態を考えるとぞっとする。
きっと立ち直ることができず、ずっと後悔していただろう。

体力と気力さえあれば、私はチビタを支えてあげれる。

現実、お金も必要である・・・。
仕事は休んでいたので、貯金を切り崩しての生活だ。

今は寝ることすら満足に出来ない。

でもチビタは思うように動けず、もっとはがゆいに決まっている。

チビタが少しでも快適に過ごせるよう考えなくてはいけない。

チビタ
a0099131_191118.jpg
チビタに介護用品用のカラーを買ってあげた。
今までのカラーより視界が広がるのか、多少は快適そうと思った。
首の周りはクッションになっているのだ。


獣医さんからは「一生カラー」と言われていた。
でも私はチビタがお利口にしていてくれたら、一生カラーをする必要はないと思っていた。
   
a0099131_1919583.jpg

座ったり寝転んだりする時は、少しでも楽でいられるよう毛布やタオルで補助してあげた。
a0099131_19204761.jpg


チビタは先生の言った「猫の習性」がほとんどでない。
ギブスをしていても暴れない。
一番の救いだ。

# by nekokichi-san | 2007-04-14 00:13

介護生活が始まる

2007年2月4日、手術を終えたチビタを迎えに病院へ行った。

市販の猫用キャリーケースに入らない・・・。
手と胸がつながっているギブスをしているから、手や胸を曲げることができないのだ。
先生が大きなダンボールをくれた。
ダンボールにチビタを入れての移動である。

家と病院の距離は車で約15分ほど・・・。
でもチビタのことが気になって、とても長く感じた。

チビタは移動中、意外とおとなしくしてくれた。
今まで病院へ連れて行く時はうるさいほど鳴くのに・・・。
病院でも診察台に乗せると大暴れする猫で、先生がいつも警戒するのだ。

なんとか家についた!

チビタa0099131_2216247.jpg
a0099131_2219142.jpg


寝転ぶ時はこんな格好しかできない。

チビタの手は人間だと「手首から下がない」。

クッションの役割をする肉きゅうがなく、切断部が直接地面にあたってしまうと抜糸が仮に終わっても1~2時間もそのままでいれば骨が出てしまうらしい。

このギブスは抜糸まで・・・。
負担がかなり大きいのだ。
抜糸まで約2週間。
急いで次のものをさがさなくてはならない。

外を眺めるチビタ
a0099131_22352516.jpg
チビタは暴れなかった。

傷口が痛むからおとなしいのか?

それとも受け入れているのか?


餌は栄養価の高い猫缶を私の指先につけて食べさせた。
水も指にたくさんつけて舐めさせる。
トイレは行きたいタイミングがわからないから、頻繁にトイレに連れて行き支えてあげた。
私がチビタに代わってできることはすべてやろうと思っていた。

外を眺めるチビタ
a0099131_22542787.jpg
私は「チビタの手先に衝撃を与えてはいけない」ということで頭がいっぱいになっていた。

あと義足探しだ・・・。
インターネットで調べまくった。
あと2週間しかない。焦っていた。


介護生活1日目の夜が来る・・・。

チビタが気になって目がはなせない。
お風呂は速攻だ。入ったか入らなかったかわからないくらいだ。

どんな夜が待っているのか?

これから先、何が待っているのか?

不安でいっぱいである・・・。

でも私はチビタの可能性を信じているので、期待は捨てていない。

私は今日から泣くのはやめた。

# by nekokichi-san | 2007-04-13 00:02

運命の日

2007年2月3日。
覚悟を決めて病院へ向かう・・・。

「決めましたか?」先生は言う。

「残せる部分は残して下さい。」

私もチビタも大変になるのはわかっている。
周りの人に迷惑をかけるかもしれないし、助けを借りないとやっていけないのもわかっている。
不安が全くないわけではない。
でもやってみないと先はわからないし、うまく乗り越えられる可能性だってあるかもしれないのだ・・・。

人から人間の「エゴ」と言われたことがある。
「チビタが今まで自由に普通の猫として生きてきたのに、不自由になってしまうチビタの気持ちを考えろ。」など・・・。

そうかもしれないけど、何とでも思えばいい!
私だって悩んで悩んで出した答えだ。


午後から手術に入る。

「月曜の朝、迎えに来て下さい。」

病院を後にし、手術がうまくいくことを祈る・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌朝、病院から電話があった。

「手術は無事終わったんですが、餌をなかなか食べてくれないので迎えに来て下さい。」

飼い主の私がチビタの安心できる家で餌をあげてほしいという意味だ。

とにかく手術がうまくいってよかった!
早くチビタに会いたい。


先生が臨時の「ギブス」を作ってチビタに装着してくれていた。


ギブス
a0099131_23575020.jpg


ギブスの中はもちろんガーゼや包帯で手を保護している。

その上からギブスをはめ、手とギブスの間に低反発のようなスポンジをいれる。

そしてテーピングのような頑丈な包帯で固定し肩や背中の毛につける方法だ。

手のみの固定では手先に負担がかかってしまうので、胸の部分もギブスで支えなくてはならない。

肩から背中に包帯を紐のようにして吊るすという先生の案である。

手先の保護はできても、他の部分に負担はかかってくるだろうと・・・。

1つはチビタが暴れると、後ろ足でギブスを外そうと爪で引っかいて、関係のない部分に傷ができる可能性。

もう1つはギブスは固いために、動くことで手がすれてしまう可能性。

さらにもう1つは肩から背中にかけての紐によって体がすれてしまう可能性。


先生に言われたこと。
「これから毎日のごとく病院へ足を運ばなくてはいけなくなると思う。」

そうならないよう私は努力する。
あとはチビタの受け入れ態勢だ・・・。

病院を出た瞬間から介護生活が始まる。

まず車にチビタを乗せ、おとなしく家まで辿り着けるのかが問題だ・・・。

# by nekokichi-san | 2007-04-12 01:06

チビタの運命

病院にて・・・。
チビタの手が機能しているか先生が確かめた。

まず爪を血管が通っている部分まで切る。
どの指先からも血が出ない・・・。

次は肉きゅうの一番神経が集中している部分に針をさす。
全く反応がなくおとなしい・・・。

チビタ(自宅にて)
a0099131_133341100.jpg
頭の中が真っ白になった・・・。

昨日から少し手先が硬くなり始め、臭いもきつくなっていたのだ。

院長が病院に隣接している自宅の居間へと私を案内した。


「どうするか?」だ・・・。

「肩からではなく、機能している残せる部分まで切断して下さい。」

先生はありとあらゆる将来考えられることを私に話した。
一言で言えば、獣医は患者の言われた通りにするしかないから私が決めたのなら手術はする。
でも将来チビタと私に考えられることを甘くみてはいけないということだ。

なぜ肩から切断なのか?
途中で切断すると、骨を皮のみで覆う形になる。
すなわち手先のみ保護をしても、前足は猫の半分以上の体重を支えるので手先にテンションがかかり骨が皮を破ってしまう。骨が出てしまえば、次は肘、次は肩とまた切断しなくてはならない猫の気持ちと私の気持ち・・・。

途中からの切断は世界中の獣医が拒むと言う。
アメリカでは安楽死を余儀なくされるであろうと。
そんな事例もなく、そんな義足もなく、猫の習性上、仮に義足をつけても無理かもしれない・・・。

後ろ足、3本足なら見込みはある。
肩からの切断なら、ずって動いても肩を保護すれば骨は出ない。でもその姿を私が毎日見れるのか?

私の今後の将来について、まだチビタが若くて長生きする可能性があるのに、10年以上も看ていけるのか?

「自分で歩き、餌が食べれて、排泄ができる。」
これが出来ないと、介護する側、される側も大変であるということ。

すべてをふまえて「安楽死」の方が・・・、という意味でもある。

でもすべて言っていることは間違いではない。

ただ1つ言えるのは、チビタに受け入れ態勢があれば不可能ではないこと。猫の性格だ。
もう1つ言えるのは、そうならないよう私が、考え、動き、愛情をたくさんそそいであげること。

「もう1日あげるからよく考えて下さい。今日はチビタにおいしものをいっぱいあげて。」


チビタ&マーくん(布団の上にて)
a0099131_1449468.jpg

いつも2匹揃うとプロレスが始まるのに・・・。
マーくんがチビタに体を貸しているのだ。
きっとわかっている・・・。

本当はケージに入れないといけない。
でも今日は一緒に布団で眠りたかった・・・。
チビタを家の中で自由にさせた。

ずっと泣いたというより、自然と涙が出る。

よれよれになりながらも頑張って帰って来たチビタの運命は、私の一存で決まってしまうのだ・・・。

明日、チビタと最期の別れになってしまう方がいいのか?

それとも、無理と言われた未知の世界を歩んでいくのか?

一度決めたことなのに、考えなおす自分がいた・・・。


そして完全に決めた。

# by nekokichi-san | 2007-04-11 15:25

チビタの帰宅

病院から帰って来て、ひとまずチビタの手の様子を見る1日であった・・・。
手を舐めたりしないよう、カラーをつけることになる。

チビタ
a0099131_12341480.jpg

先生が言ったこと「1日様子を見てみましょう!」

その意味とは、チビタの手先にもし神経が通っていない場合のことだった。
どうやらチビタは「トラバサミ」という、狸やイタチなどを捕まえる罠に長時間ひっかかっていたのではないか?と先生は言う。

私は過去のチビタの交通事故からの生還があったので、チビタは絶対に大丈夫だと言い聞かせていた。
でも正直、とても心配である・・・。

「最悪の場合は・・・。」先生が下した選択は二つだった。

安楽死」か「両手を肩から切断」か・・・。

外を眺めるチビタ
a0099131_12442891.jpg

こんな姿を見ると、息が詰まってくる・・・。

チビタはもし選択をせまられたら、どうしたいのか?

寿命や不治の病で命を絶つのは、悲しいけど受け入れなくてはいけない。
私も過去に先立った猫が「白血病」だったため、とても辛い思いをしたが最期は受け入れざる得なかった・・・。

でもチビタは違う。
寿命でも病気でもない。
手がなくなる可能性はあっても、他は健康なのだ。

私の考えは最初から決まっている。
でも人の意見はそれぞれだった・・・。

チビタの歩く姿・・・。
手を内側に折り曲げている。
バランスを崩しそうだけど、歩いている。

ケージ内のチビタ
a0099131_13495715.jpg
そして今日は久しぶりにチビタが家で寝ることになる。
チビタの手が少し異臭をはなっている。
チビタが帰って来て、とても嬉しいのにとても複雑な気分だ・・・。


翌々日、不安を抱えながら病院へ足を運んだ・・・。

# by nekokichi-san | 2007-04-10 13:11
line

~チビタと愉快な仲間たちが繰り広げる愛と笑いの感動日記~


by nekokichi-san
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30